大人のバリアフリーワークショップ、作品完成

1ヵ月に2回、約10ヵ月間オンラインで実施したワークショップを通して完成した短編パフォーマンス映像作品が公開になりました!

公募により参加した"大人"の皆さんとあぴラッキーのメンバーが共演しています。

冬休みのひととき、楽しくご覧いただけたら嬉しいです。

■演出より

50代以上の女性、障害のある方たち、普段はなかなか表現を発信する場がないメンバーが協力して作った3作品。

初対面のメンバーがオンラインのみで、各回1時間のプログラムをおよそ20回重ねて本番まで作りました。

コロナ禍でも表現し続けた参加者たちは工夫しながら壁を乗り越え、多様性の面白さを魅せてくれました。

たくさんの方たちの光となりますように。(香瑠鼓)


このプロジェクトは、「新しいおとぎ話を作ろう!」と概ね50歳以上の"大人"の皆さんに参加を呼びかけてスタートしました。当初は参加者同士が直接交流して作品を作るワークショップを企画していましたが、コロナ禍によりすべてオンラインに。

期間の前半は、香瑠鼓独自の即興表現メソッドを実践していただき、身体の力を抜いて創造性に意識を集中させるトレーニング。音楽から得たイメージを身体で自由に表現する即興のダンスを互いに見合ったり、障害のあるメンバーの「バリアフリーワークショップ」をオンラインで見学したりしました。

そして大人メンバーの皆さんにヒアリング。どんな役をやってみたい?どんな作品を作ってみたい?──コメディ、アクション、悪役、動物…、十人十色の夢や個性を盛り込んで、3つのストーリーの原案を作りました。

リハーサルは原案をベースに即興エチュード、衣裳や美術のアイデアを出しあったりと、それぞれが主体的に助け合います。香瑠鼓の演出で、作品は超スピードで具体化し撮影。

通信が途切れたり、背景画像の合成ハプニング等を乗り越えて完成しました。

(助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京)

▼シンデレラはゆとり世代!?

◎バンバン(シンデレラ):
手話を使った仕事の傍ら、言葉を使わないパントマイムやタップダンスなどの表現活動に取り組んでいる。
◎片桐晶子(継母):
4年前にミュージカル映画出演をきっかけに表現の世界へ。舞台や弾き語りに加え、最近ではTikTokやバンドメンバーとして演奏など活動の幅を広げている。
◎菊池祐子(義姉1):
子役から40歳前半まで俳優、演歌歌手として活動。しばらく表舞台から遠のいていたが「やりたいことをやる」と参加を決心。
◎中村美果子(義姉2):
バレエスクール講師。既成概念を取り払う即興表現に自分自身の新たな可能性を模索中。
◎美夜(虫1):
歌って踊る歯科医師として演劇やミュージカルに出演。現在はジャズボーカリストとして都内を中心にライブ活動中。
◎大塚麻美(虫2):
あぴラッキーメンバー。爆発力とチャーミングな即興表現に定評がある。
◎まどれーぬ(王子):
俳優、即興パフォーマーとして映像や舞台で活動。バリアフリーワークショップのアシスタントとしてあぴラッキーに参加。フランス語も堪能。
◎taka taka(魔法使い):
医療法人でゼネラルマネージャーを務める傍ら、新しいおとぎ話を通した自由でバリアフリーな表現活動に共感して参加。

▼チャーリーズ・エンジェル~哀しみのスパイダー~

◎小林寧子(マリリン):
50歳から俳優となり、映像作品を中心に出演中。スピリチュアルアーティストとしても活動。
◎加藤由喜子(シャーリー):
ビューティーセラピスト。自己表現による心身の活性化や女性のためのコミュニティづくりを中心に表現活動を続けている。
◎影山玉実(ミランダ):
ミュージカルやミセスコンテストの出演、ウォーキング講師など精力的に活動中。
◎周東弘子(メイ):
市民ミュージカル出演を機に表現活動を開始、スーパーよさこい出演など。
◎則竹知子(蜘蛛):
本業はライター。香瑠鼓ワークショップの心地よさを実感、人前で体を使って表現するドキドキ体験の必要性を感じて参加。
◎音呼(アンリ博士):
歌手、セラピスト、即興パフォーマー等として活動。バリアフリーワークショップのアシスタントとしてあぴラッキーに参加。
◎大窪真椰(アシスタント):
あぴラッキーメンバー。10代から香瑠鼓のバリアフリーワークショップに参加。想像力豊かで当意即妙な世界観を表現する。

▼オズの魔法使い~トトも魔法使い~

◎市村雅子(ドロシー):
あぴラッキーメンバー。展開力のある即興表現と、演技力のある声の持ち主。
◎mina.co(トト):
社会人になってからダンスと出会い、海外出張先でもダンス教室を探すほどハマる。障害のある人とのワークショップ経験が印象に残っている。
◎西野恵美子(良い魔女):
2019年の舞台(ヒップホップパート)に参加して久し振りにダンスの楽しさを思い出す。香瑠鼓ワークショップに興味を持ち参加。
◎ひろみ(木こり):
参加していた中高年劇団がコロナ禍により解散、新劇団SHOWAを立ち上げ。特技は腹話術。
◎ゆーこ(かかし):
参加していた中高年劇団がコロナ禍により解散、新劇団SHOWAを立ち上げ。フルマラソンを仮装で完走。
◎はるみ(ライオン):
参加していた中高年劇団がコロナ禍により解散、新劇団SHOWAを立ち上げ。薬の販売と家事代行が本業。
◎Yu-cha(悪い魔女):
高齢者ケアの現場で勤務しつつ、手話ダンスなどの表現活動に携わる。
◎菊地由照(オズの魔法使い):
あぴラッキーメンバー。神話や哲学に造詣が深く、雰囲気のある仕草が魅力。脳梁欠損があるが、香瑠鼓ワークショップにより身体の感覚統合が進みつつある。

■あぴラッキー

香瑠鼓が1996年から続けている「バリアフリーワークショップ」に参加する障害のあるメンバーやアマチュアメンバー、およびプロのアーティストたちによるパフォーマンスユニット。自主公演のほか、地域イベントから海外のダンスフェスまで幅広く出演。

■香瑠鼓(カオルコ)

振付家、アーティスト。Wink「淋しい熱帯魚」、「慎吾ママのおはロック」、新垣結衣の「ポッキー」、「タケモトピアノ」をはじめ1300本以上のMVやCM、舞台や映画などで振付を担当。養成機関での演技指導や作品演出も手掛け、自身のアーティスト活動も精力的に展開。自然界の音や響きにヒントを得た独自の即興表現メソッドを開発し、アーティストのみならずビジネスパーソンや学生、障害のある人など幅広い人々を対象に自己表現とコミュニケーションのためのワークショップを開講。

https://www.kaoruco.net/